ダルヴァザ・ガスクレーター へのグループツアー (ヒヴァから)

ボドベ、ジョージア

ボドベ、ジョージア

「聖ニノの聖ゲオルギオス修道院(通称:ボドベ修道院)」は、ジョージアにおける最も重要な宗教的聖地のひとつであり、同時に人気の高い観光名所でもあります。現在、この場所には女子修道院が設けられており、敷地内の聖ゲオルギオス大聖堂には、ジョージアにキリスト教をもたらした使徒に等しい存在とされる聖ニノの聖遺骨が安置されています。また現在、数世紀前にジョージアで最も著名な大聖堂を建設したのと同様の建築技術を用いて、新たな大聖堂も建設中です。

ボドベ、ジョージア
ボドベ、ジョージア
ボドベ、ジョージア

伝承によると、聖ニノは西暦335年、60歳でボドベにて永眠しました。彼女はその生涯を通じてジョージア各地を巡り、人々の病を癒し、キリスト教の教えを広めたとされています。彼女は、自らの生涯を捧げたジョージアの地に埋葬されることを望みました。のちに、ミリアン王が彼女の遺体をムツヘタに移そうと試みましたが、棺は奇跡的に動かすことができず、その試みは断念されたと伝えられています。元々この地には、殉教者聖ゲオルギオスを讃える小さな礼拝堂が建てられていましたが、時を経て失われました。その後、850年に現在の大聖堂が旧礼拝堂の跡地に建立されました。この新たな聖堂は、ジョージア建築の最高の伝統に則った古典的な様式で設計されており、内部には9世紀に描かれたフレスコ画が現存しています。また、12世紀から17世紀にかけて多くの装飾や構造的な追加が施されています。

ボドベ、ジョージア
ボドベ、ジョージア
ボドベ、ジョージア

皇帝アレクサンドル3世がボドベを訪れた際、修道院に大きな変化がもたらされました。ロシア風の鐘楼が建設され、メインの教会内部に描かれていたフレスコ画もロシア様式に改修されました。アレクサンドル3世は、ボドベからアラザニ渓谷を一望する美しい景観に感銘を受け、「これほど素晴らしい景色があるのに、なぜスイスが必要なのか」と語ったと伝えられています。

ボドベの宗教施設は、長い歴史の中で何度も修復が行われており、特に16世紀から17世紀にかけては、ジョージアにおける重要な教育の中心地の一つとなっていました。しかし、1837年には修道院が一時閉鎖されました。その後、1889年にアレクサンドル3世の支援を受けて再び修道院としての機能を取り戻します。ところが、ソビエト連邦時代の1924年には再び閉鎖され、以降は病院として使用されることになります。1991年、ソ連崩壊後のジョージア独立とともに、ボドベは女子修道院として再開され、今日に至ります。現在、10〜15人ほどの修道女が修道院で生活しており、ほぼ自給自足の生活を送っています。彼女たちは敷地内で植物を栽培し、動物を飼育しながら、小さな売店で手作りの工芸品や装飾品などを販売するなど、地域社会とのつながりも大切にしています。