ダルヴァザ・ガスクレーター へのグループツアー (ヒヴァから)

サイード・アフマド・ホージャ・マドラサ、マルギラン

サイード・アフマド・ホージャ・マドラサは19世紀末に建設された、マルギランで最も新しい建造物のひとつです。その歴史は200年余りと比較的新しいものですが、調和の取れた構成、美しいデザイン、合理的な建築様式が特徴です。この建築群は、マドラサ本体に加え、天井に装飾が施されたホールとアイヴァン(柱廊)を備えたモスクから構成されています。

このマドラサの建築様式は伝統的な東洋のデザインにとどまらず、ヨーロッパと東洋の要素を組み合わせた点が特徴です。中心にはランセットアーチ(尖頭アーチ)に囲まれた正方形の庭があり、その周囲にモスクと居住スペースが配置されています。この設計は東洋建築の典型ともいえますが、レンガ造りの壁は地震の多い地域性を考慮し、ヨーロッパ風の補強が施されています。2層の木枠が壁を支えることで構造を強化し、さらに内部空間に広がりを与える工夫がされています。

サイード・アフマド・ホージャ・マドラサ、マルギラン、ウズベキスタン
サイード・アフマド・ホージャ・マドラサ、マルギラン、ウズベキスタン
サイード・アフマド・ホージャ・マドラサ、マルギラン、ウズベキスタン

ホールの天井は、赤と緑の幅広い縞模様で装飾され、花や曲がりくねった枝の絵が描かれています。また、内部の壁面には、長方形のパネル内に施された幾何学模様のガンチ装飾(漆喰装飾)が配され、そこにミフラーブの窪みが組み込まれています。これらの装飾が、建物全体に優雅さと洗練を与えています。

2007年にはサイード・アフマド・ホージャ・マドラサの再建が行われ、建物の周囲に広い道路や庭園が増設されました。中庭には、樹冠が広がる古いプラタナスの木々と、涼しげな水路が設けられ、訪れる人々に快適な環境を提供しています。

現在、サイード・アフマド・ホージャ・マドラサは教育施設として機能し続けており、信者たちはコーランやハディースを学んでいます。また、かつて学生たちが生活していた26のフジュラ(小部屋)は、現在では地元の職人による工房として利用されています。ここでは、織物、金刺繍、木彫、エンボス加工など、伝統工芸品が制作されています。