カザフスタン国立民族楽器博物館、アルマトイ
音楽は、人々の魂であり、優雅な音符と小節の列に具現化されたものです。それは国境を越えるように、人々と国々の間の壁を取り払う国際的な言語です。
カザフ民族は、豊かな文化と古代の歴史を持つ民族です。音楽はこの民族の日常生活において重要な役割を果たしており、精神世界やその志向を反映しています。ドンブラ(長い首を持つリュート型の弦楽器)の無限に広がるカザフの草原や、元気な駿馬の走りを表現した音色、アキン(伝統的な歌を即興で歌う詩人・歌手)の旋律は、過去と現在を強く繋げるものです。
民族音楽の伝統を守ることは、1980年にアルマトイのパンフィロフ公園東部に開館した「イキラス民族楽器博物館」の最も重要な使命の一つです。この博物館は、1908年に建設された木造の建物に収められており、その建物は、近くにあるゼンコフ大聖堂と同時期に建てられました。この木造の家は、典型的なロシア式の伝統的建築を模しています。最初はロシア帝政時代に軍の行政会議場として使用され、その後、公式の会館に変わり、最終的には博物館に転用されました。
博物館は、カザフの弦楽器コビズの音楽学校の創設者の一人である人民作曲家イキラス・デュケノフにちなんで名付けられました。収蔵品には、17世紀に遡る貴重な展示品を含む1000点以上のアイテムがあり、コビズ、ドンブラ、シルドゥルマク(タンバリンに似た民族楽器)など、60種類の民族楽器が展示されています。
展示室を見学することで、カザフ民族の歴史、音楽芸術の進化、伝統、民俗についての全体像を理解することができます。また、展示されている楽器の音色を聴くこともできます。博物館には「サズゲン・サジ」という民族楽団があり、草原のモチーフをテーマにした素晴らしい音楽の世界へと誘ってくれます。