カザフスタンにおけるナウルーズの祝日

ナウルーズ – 春の再生の祝祭

3月21日～23日

カザフスタンでは、3月21日の春分の日に「ナウルーズ」が祝われます。この祝祭は春分だけでなく、自然の再生を歓迎するものです。カザフスタンを含む東方諸国では、新年は1月1日ではなくナウルーズの日に始まるのが伝統でした。この祝祭の名称はペルシャ語で「新しい日」を意味します。

ナウルーズはカザフスタンでは宗教的な祝日とは見なされていません。イスラム教が広まる以前から祝われており、自然の力を敬う古代の異教的な伝統の名残りです。類似する祝祭には、インドの「ロリ」（寒さの終わり）、エジプトの「ジャム・エン・ネッシム」（春の始まり）、イスラエルの「トゥ・ビシュバット」（雨の季節）、アイスランドの「スーマーズダーグ」（夏の到来）などがあります。

カザフスタンのナウルーズは、豊穣、友情、愛を象徴する祝日です。この特別な日には、人々は盛装し、親しい友人や家族を訪ねて、周囲の人々に幸せを願います。歌や踊り、伝統的なゲーム、特別な料理で一日が彩られます。特に注目されるのが、馬乳から作られる発酵乳製品クミスと、必食の伝統料理ナウルーズ・コジェです。

カザフ人は、ナウルーズにナウルーズ・コジェを楽しむと、その年が豊かになると信じています。この栄養豊富なスープは、肉、水、小麦粉、バター、キビ（米やトウモロコシで代用されることもあります）、塩、牛乳の7つの材料で作られます。ナウルーズ・コジェの各成分は、人生における7つの繁栄要素（成長、幸運、幸福、富、健康、知恵、天の加護）を象徴しています。

ナウルーズでは数字の「7」が特別な意味を持つため、ナウルーズ・コジェの7つの材料を混ぜ合わせて7つの碗に注ぎ、尊敬される年配者（アクサカル）たちの前に置きます。この日、人々は自宅に7人の客を招き、別の7軒を訪問するのが習慣です。

ナウルーズは食べ物だけではありません。「コクテム・トゥディ！」（春が生まれた！）という祝辞が交わされ、伝統的な詩人「アキン」が即興で競い合う詩の大会も行われます。カザフスタンのナウルーズ祝祭では他にも、民族レスリング「カザクシャ・グレス」、論理ゲーム「トグズ・クマラク」、そして有名な馬の競技「キズ・クー」や「バイガ」などが行われます。都市の広場では劇が上演され、若者たちは「アルティバカン」と呼ばれる大きな丸太のブランコで遊びます。

ナウルーズは、カザフスタンでは3日間の国民祝日であるだけでなく、国連によって国際的な祝日としても認められています。この祝祭は中央アジア全域や、ジョージア、インド、イラン、中国、トルコなど地域の他の国々でも祝われています。