ビシュケク近郊のアラ・アルチャ自然保護区
キルギスで最も訪れる人が多い場所の一つが、アラ・アルチャ自然保護区です。この保護区はビシュケクから約30キロ離れた広さ20,000ヘクタールのエリアに位置し、山々や川、美しい松林やトウヒ林が広がっています。この森が保護区の名前の由来です。「アラ・アルチャ」とはキルギス語で「多彩なジュニパー」を意味し、保護区の豊かな植生の多様性を象徴しています。訪れる人は、キルギスの動植物が織りなす驚くべき世界を体験することができます。
この保護区は峡谷内の小さな谷に広がり、尾根は万年氷に覆われています。また、斜面には高品質のトウヒの森が広がり、その美しさが特徴的です。斜面の氷河から流れ出す小川は、溶けた水が集まることでアラ・アルチャ川へと姿を変えます。
全長76キロのアラ・アルチャ川は、キルギスのアラトゥー山脈北斜面の氷河から流れ出しています。この川には、アクサイ川、トプカラガイ川、テケテッレ川、トゥイスーアディギン川、ジンディスー川など、いくつかの支流が合流しています。アラ・アルチャ川は、モミの森に覆われた保護区を流れ、緑豊かな牧草地や斜面を通過していきます。
1976年、アラ・アルチャ渓谷にアラ・アルチャ・キルギス州立公園が設立されました。この公園は、絶滅の危機に瀕した希少な動植物の保護と、観光業や登山業の発展を目的としています。保護区の主な魅力の一つは、ユニークな野生動物です。ここでは、絶滅危惧種が記載されているレッドブックにも掲載されているユキヒョウを見ることができる可能性があります。また、渓谷の高地には、キルギスの人々が「幸福の鳥」と呼ぶ珍しい青い鳥が生息しています。保護区内では狩猟が厳しく禁止されており、多くの素晴らしい動植物が自然環境の中で守られています。
この保護区のもう一つの特徴的な魅力は、海抜2000メートルの高度に位置するアルパインキャンプです。また、セミョノフ・ティアンシャン峰(4875メートル)やコロナ峰(4860メートル)といった有名な山々も保護区内に含まれています。セミョノフ・ティアンシャン峰は尾根の最高地点であり、その壮大な頂を目指して世界中から登山家が訪れます。