フェルガナ盆地、ウズベキスタン
フェルガナおよびフェルガナ盆地
フェルガナ盆地は、オアシスの中でも最も美しい地域の一つで、面積は約2万2千平方キロメートル、人口は約700万人です。天山山脈に囲まれ、シルダリヤ川とナルイン川が流れるこの盆地は、農業や畜産に最適な環境を提供しています。また、アンディジャン、フェルガナ、マルギラン、コーカンド、シャヒマルダン、クヴァといった都市や、歴史的建造物で広く知られています。
アンディジャンは盆地の北東部に位置し、山々と丘陵地に囲まれています。アンディジャンとアラミシクスキエ丘陵には、石油、ガス、水資源などが豊富に埋蔵されています。アンディジャンは紀元前9世紀から知られる歴史的な都市であり、現在はウズベキスタンの主要な工業都市の一つです。ここには、ウズベキスタンと韓国の合弁企業である「ウズデウーオート」の工場がアサカ市に建設されました。アンディジャンは古代のシルクロードの一部に位置し、中国と中央アジアを結ぶ重要なキャラバンルートの要所でした。このルート沿いにはカラダリヤのキャラバンサライが点在していました。
コーカンドは18世紀から19世紀にかけて、コーカンド・ハン国の首都であり、盆地の宗教的中心地でした。多くのマドラサやモスクが今でも残っています。
マルギランは古くから絨毯や織物、特に「ハーン・アトラス」と呼ばれる絹織物の生産で知られていました。この都市は独自の建築様式を持ち、その伝統は今日でも引き継がれています。アラビアの商人がマルギランに送った絹のキャラバンでは、ここで年間2,000万メートル以上の絹織物が生産されました。
クヴァは、ヨーロッパではアルフラガヌスとして知られる中世の学者アル・フェルガーニの生誕地で、彼を称える記念碑が建てられています。
ナマンガン地方はシルダリヤ川の右岸、盆地の北部に広がっています。ナマンガンから約25キロメートルの場所には、考古学的に重要な古代の集落アクシケントがあります。
フェルガナ盆地では、農業が盛んで特に綿花の栽培が行われており、その他にも多くの野菜や果物が生産されています。