ウズベキスタンの歴史
ウズベキスタンは中央アジアの中心に位置し、アムダリヤ川とシリダリヤ川という2つの大河に挟まれています。この地に暮らす民族の歴史は千年以上にもわたります。古くから文明が栄え、世界でも有数の古代文化の発祥地のひとつとされています。
ウズベキスタンの歴史は、数多くの個人や国家が築き、征服や反乱といった激動の時代を経て、美しい都市が生まれ、祖国を愛した人々の物語が積み重なったものです。
人々がウズベキスタンに定住し始めたのは遠い昔のことです。サマルカンド、ブハラ、ヒヴァといった美しい都市が築かれましたが、これらは時には外部からの侵攻で破壊されながらも、何度も再建され、さらに美しい都市として蘇りました。この地はシルクロードの交差点に位置し、多くの職人が工房やバザールで芸術作品を生み出し、それらはシルクロードを通じてヨーロッパやアジアの各地へ広がっていきました。
考古学的研究によると、ウズベキスタンは最も古くから人類が住んでいた場所の一つとされています。バイスンタウ山脈の古代住居跡やサマルカンドで発見された原始的な道具から、この地域には紀元前、旧石器時代初期に人類が存在していたことが分かります。後期旧石器時代には、ネアンデルタール人がテシク・タシュ洞窟に定住していたことが確認されており、ここで発見された埋葬地はムスティエ文化に属するものとされています。特に、山羊の骨に囲まれて埋葬された8~9歳の少年の遺体は、当時の埋葬儀礼の最古の例として貴重です。また、当時の人々が狩猟や自然からの採集で食料を得ていたことが分かっており、道具も木や骨、石から作られていました。
時代が進むにつれて、狩猟や戦い、儀式といった日常の生活が岩絵(ペトログリフ)として残されるようになりました。こうした岩絵を通して、動物の家畜化や宗教的思想、武器の出現といった人類の歴史を「読み取る」ことができます。
次の時代は、およそ15000年から2000年前にかけての中石器時代です。この時代の代表的な遺跡には、サマルカンドの原始的な集落やバイスン地域のマチャイ洞窟、シバド地域の岩絵などがあります。
新石器時代に入ると、ウズベキスタンではより高度な生活様式が発展しました。キジルクム砂漠西部やアムダリヤ川沿いの集落、またタシケント、フェルガナ、サマルカンド、スルハンダリヤ地域の遺跡からは、牧畜や織物、陶器作りといった技術の発展が確認されています。
ウズベキスタンの青銅器時代は、紀元前3000年から紀元前1000年初頭にかけてです。この時代は大きな変革があり、古代バクトリアや大ホラズムといった大河の流域に初の国家が誕生しました。この時代には中央アジア初の宗教であるゾロアスター教が生まれ、さらにアケメネス朝という強大な帝国も興隆しました。