ベス・シャティールの墓地、カザフスタン
ベス・シャティール(五つのテント)のネクロポリスは、紀元前1世紀に現在のカザフスタンの領土に住んでいた古代スキタイ人の礼拝地でした。ここ、面積2平方キロメートルの範囲に、直径約9メートル、高さ約2.5メートルの18基の帝王の墳墓が位置しています。墳墓の下には、ティアンシャーンのモミの木で作られた木製の墓室を見ることができます。
この初期遊牧民のユニークな遺跡は、セミレチエ(セミレチエ地方)にあり、イリ川の源流にあります。帝王墳墓の西側には、北から南へと広がる45基の石造の炉があり、動物の絵が刻まれています。科学者たちはこの場所をネクロポリスの儀式的な部分と考えています。
1950年代後半には、アルマトイの北西170キロにあるアングラハイ山脈のタムガリで、岩に描かれた絵が発見されました。タムガリはまさに古代芸術のギャラリーです。ここには歴史のいくつかの時代が反映されています。青銅器時代、初期遊牧時代、トルコ時代に遡る4000以上の絵が発見されました。
タムガリには低いスレートの崖があり、渓谷の両側に広がっています。これらの崖の平らな表面には、金属の彫刻刀で刻まれた個々の動物やシーンが装飾されています。ペトログリフ(岩絵)には、群れを成した山羊、シープ、プレシェバルの馬、鹿、草原のアンテロープ、また家畜であるラクダ、馬、牛、犬などの画像が含まれています。
また、太陽の頭を持つ犬、狩猟、宗教儀式、動物の犠牲を描いたシーン、人と動物の構図、女性の形、アーチなどもあります。渓谷から遠くない場所には、青銅器時代と初期遊牧時代の墓地があり、さらに初期遊牧時代の集落もあります。タムガリのペトログリフのギャラリーは世界の宝物の一つであり、ユネスコによって保護されています。タムガリという名前は、カザフ語で「部族の印」という意味の「タムガ」から由来しています。