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トルクメンの伝統衣装 - 頭飾り

トルクメン伝統頭飾り

タクヤ(Turkmen skullcap)はトルクメンの民族衣装を象徴する伝統的な帽子であり、単なる被り物にとどまらず、現在でもその伝統的なモチーフが守られています。タクヤの装飾には魔よけの意味が込められており、古くから人々はタクヤが持ち主を災難や邪念、病気、危害から守ると信じていました。古いタクヤであっても他人に譲ったり捨てたりすることは、古い習慣では禁じられていました。

魔除けの役割だけでなく、タクヤは強烈な日差しから頭部を保護する役割も果たしていました。形状は丸型や楕円形、低めのものから高めのものまで様々で、高価なベルベットや絹といった素材から、サテンやプリントコットンなどのシンプルな生地まで幅広い素材で作られていました。特に「ケテニ(keteni)」と呼ばれる美しい高級生地がよく用いられ、伝統的な模様が刺繍されていました。

柔らかいキルティング仕様のリネン製タクヤは、誕生後数日以内の男の子や女の子にかぶせられることがありました。一方、老人たちは粗い白いモスリン製の帽子を愛用していました。また、男性は剃った頭にタクヤをかぶる習慣がありました。

少女や若い花嫁は、カラフルな絹糸で刺繍された柔らかなタクヤをかぶり、銀の装飾が付けられることもありました。タクヤは彼女たちの咲き誇る美しさを引き立て、刺繍された花々は美しさと純潔を象徴していました。タクヤを身につけないことは、不貞と見なされることもありました。

男性用のタクヤは、女性用と比べてシンプルで控えめな模様が特徴ですが、それでも特別な意味が込められていました。特に三角形の模様には、敵に立ち向かうため肩を並べるトルクメンの勇士たちの団結を表す暗号が込められていました。

今日では、古代のタクヤが再び注目を集めています。大人から子どもまで、伝統的な衣装にも現代的な服装にも合わせて着用されており、カラフルなタクヤは服装に真の民族的な彩りを添えるアクセントとなっています。その刺繍技術は見事で、タクヤは芸術品ともいえる存在です。

トルクメンの人々は伝統を大切に守り続けています。タクヤの模様は何世紀も前のまま保存されており、熟練した女性職人たちがその装飾をさらに洗練させたことで、模様は定型化されました。巧みに刺繍されたタクヤは、まさにユニークな芸術作品といえるでしょう。