ダルヴァザ・ガスクレーター へのグループツアー (ヒヴァから)

アスタナ・ババ廟 、トルクメナバード

アスタナ・ババ廟

アスタナ・ババ廟は、モスクと墓から成る記念複合施設の一部です。実際には、異なる時代に建設された複数の建物が密接に並び建てられており、元々の構造を想像するのは難しいほどです。この廟は11世紀から12世紀にかけての建築物で、巡礼者が聖人を崇拝するための「ズィヤラート(礼拝の儀式)」が行われる神聖な場所とされています。アスタナ・ババが誰であったのかは定かではありませんが、この廟が建つ場所は神聖で癒しの力を持つと考えられています。毎年何千人もの病を抱えた人々がここに集まり、待ち望んだ癒しを求めています。巡礼者の数は日々増え続けています。

この複合施設には、「ゼイド・アリ」と「ズヴェイド・アリ」の廟が含まれています。これにまつわる伝説は次のように語られています。中世ホラーサーンのバルフ地方を治めていた王には、美しい娘ズヴェイダがいました。彼女はこの地の副王と結婚しましたが、結婚後まもなく亡くなってしまいます。悲嘆に暮れた父王は、メルブやサマルカンドから優れた職人を招き、娘を偲ぶために美しい廟を建てさせました。

しかし、完成直後に廟は崩壊してしまいました。2度目も3度目も同じように崩壊し、父王は絶望しました。すると、ある晩、夢に老人が現れ、次のように助言しました。「メッカから持ち帰った粘土と水で廟を建てよ。」父王はその助言に従い、メッカから運ばれた粘土と水を使って廟を建設しました。そして完成後、彼自身も亡くなると、娘の隣に埋葬されたと伝えられています。

ゼイド・アリとズヴェイド・アリの廟の建設に使用された井戸の水は、今でも神聖なものとされています。この水は巡礼者によって癒しの力を持つと信じられ、特別な儀式に用いられています。