ジュンガル・アラタウ、カザフスタン

ジュンガル・アラタウは、東天山山脈とアルタイ山脈という二大山脈の境界に位置し、約700平方キロメートルにわたる山岳地帯です。この山脈はレプシ川流域とウセク川流域の二つの地域に分かれています。ジュンガル・アラタウで最も標高が高いのは、カザフスタンと中国の国境に位置するセメノフ・ティヤン・シャンスキー峰で、標高4,622メートルに達します。国境付近には「ジュンガルの門」と呼ばれる幅10〜50kmの山岳峠が広がっています。標高2,600メートルまでは半砂漠が広がり、その先はステップ地帯へと変わり、さらに高地にはアルプス草原が広がります。ジュンガル・アラタウの狭い尾根は鋭い峰々と急峻な斜面が特徴で、400〜1000メートルの高さの岩壁が多数存在します。標高3,500メートル以上のエリアは万年雪と氷河に覆われています。山間の谷は狭く、深さ800〜1000メートルにも及び、多くの山々はアクセスが困難です。

この地域の気候は温帯大陸性気候に分類されます。冬の昼間の気温は-5〜-6℃、夜間は-15〜-25℃まで下がります。夏の昼間の気温は+20〜+25℃、夜間は+5〜+7℃程度です。人口はまばらで、人の手がほとんど入っていないこの荒野の「主」は、アカオオカミ、クマ、シベリアジカ、野生のチャリンヒツジ、そして数え切れないほどの小型哺乳類たちです。観察力のある旅行者なら、これらの野生動物の姿を目にすることができるでしょう。

ジュンガル・アラタウは、トレッキングに最適な地域としても知られています。特に、レプシ川、バスカン川、アクス湖周辺、さらにジャシルコル湖やボルショエ湖周辺の山々は人気のトレッキングスポットです。また、コクペク山、タウルリ山、ベズイミャンヌイ峠、セメノフ・ティヤン・シャンスキー峰、ヴォルチー峠、バンディツキー峠なども訪れる価値があります。