ダルヴァザ・ガスクレーター へのグループツアー (ヒヴァから)

アルスランボブ滝、キルギス

キルギスには、アルスランボブという2つの滝があります。一つは「大アルスランボブ滝」、もう一つは「小アルスランボブ滝」と呼ばれます。どちらもジャラル・アバド地方のアルスタンバップ村の近くに位置し、亜高山帯気候の美しい山岳地帯にあります。

ババシュ・アタ山脈の地域にある大アルスランボブ滝は、その壮大な高さ約80メートルで知られています。滝は狭い地形を流れ落ちるため、実際よりもさらに高く感じられることがあります。この滝の名前はキルギス語で「ライオンの口」を意味し、水が流れ落ちる際にライオンの咆哮のような轟音が響くことに由来しています。滝の近くには「聖なる湖」や、イスラム教の歴史に関連する人物とされるイブン・アッバースのお墓があります。滝までの道のりは徒歩または馬でのアクセスのみで、約2時間ほどかかりますので、訪問時には計画的に行動する必要があります。

小アルスランボブ滝の高さは約は30メートルで、周囲を豊かな緑に囲まれた絵画のように美しい場所です。村からは狭い道を通って徒歩でアクセスできます。滝のふもとは広々としており、訪れる人々を魅了します。滝の近くには木々があり、その枝にリボンや布切れを結び付けて願い事をする地元の習慣があります。アクセスが容易なため、この滝は観光客に人気があり、特に混雑を避けたい場合は早朝に訪れるのが良いでしょう。

また、小アルスランボブ滝の近くには「キルク・チェルテン洞窟(40人の天使)」があります。伝説によれば、この洞窟には困窮した人々を助ける女性が住んでいたと言われており、地元住民たちは現在でもこの場所に神秘的な力が宿っていると信じています。

アルスタンバップ村周辺には、世界最大級のクルミ林が広がっています。地元の人々によると、樹齢1000年以上の木も存在し、その面積は60万ヘクタールを超えるとされています。この地域では毎年約1,500トンのナッツ類と5,000トンの果物が収穫され、特にクルミはこの地域を象徴する産物です。また、1930年代には北米からアライグマが移入され、現在ではこの地域で繁殖しています。

アルスタンバップ村は海抜1,700メートルの山岳地帯にあり、夏季には多くの観光客が訪れるリゾート地です。滝へのハイキングに加え、地元住民は乗馬体験やジープ・バイクツアーを勧めてくれます。観光名所は多くありませんが、15世紀に製作された彫刻が施されたクルミ材の扉が特徴的な「アルスタンバップ・アタ霊廟」が訪問者に人気です。

なお、アルスタンバップは保守的なイスラム教徒や高齢者が多く住む地域であるため、訪問時には控えめな服装を心がけることをお勧めします。