キルギスの伝説：アト・バシ

アト・バシは、アンディジャン地方（現在のウズベキスタン）で牛を売った牧夫にまつわる物語です。市場から疲れ果てて戻った彼は、ジャイルー（夏の牧草地）で腰を下ろし、馬を放しました。しかし翌朝、彼が馬を囲い込もうとすると、馬は逃げてしまいました。彼は馬を追い続け、ついに捕まえると、馬を殺してその肉を調理しました。彼は馬の頭だけを残し、その場所を「アト・バシ」（馬の頭）と名付けました。その後、道中で調理した馬の肉を食べながら旅を続け、最後にその食事をした場所を「ナリン」と名付けました。この名前は、彼がそこで細かく切った肉をスープにして食べたことに由来します。地図上でアンディジャンとナリンの位置を見ると、両地がかなり離れていることがわかります。牧夫は牛を売るために長い道のりを旅し、その後、馬を追いかけるのにも相当な距離を移動したのです。