ダルヴァザ・ガスクレーター へのグループツアー (ヒヴァから)

キルギスの伝説:ブラナ塔

ブラナ塔、キルギスブラナ塔は、トクモクの南約10キロメートルの場所にあり、かつてのバラスグンの古代都市の遺跡として唯一残る建造物です。専門家によれば、この塔は元々現在の高さの倍ほどあったミナレット(塔状の礼拝所)だったとされていますが、キルギスの伝説は全く異なる物語を語っています。

伝説によると、ある時代に権力を持つハーンが、美しい娘モナラを持っていました。ハーンは地元の若者たち(ジギット)からの求愛から娘を守りたいと願っていました。

ある日、ハーンは地域中の占い師を呼び集め、娘の未来を占わせました。ほとんどの占い師が娘の幸せな未来を予言しましたが、ただ一人だけ異なる答えを告げました。この占い師はこう言ったのです。「真実しか語ることはできません。たとえそれで私の命が失われるとしても。娘さんの運命は悲しいものです。彼女は16歳を迎えることがほとんどないでしょう。そして、その時、彼女は悲劇的な死を遂げるでしょう。」ハーンは怒りを覚えましたが、その予言を無視することはできませんでした。そこで、彼は高い塔を建て、娘をその頂上に閉じ込めることで彼女を守ろうとしました。

娘は塔の中で育ち、北・東・南・西の4つの窓から谷を見渡しながら過ごしました。食べ物や飲み物は召使いが籠に入れて届け、誰も彼女の部屋に入ることはありませんでした。

16歳の誕生日の朝、占い師の予言が外れたことに喜んだハーンは、娘を祝うために果物の入った籠を贈ることにしました。ハーンは娘に籠を手渡し、祝福のキスをしました。しかしその直後、娘は突然倒れ、理由も分からないまま命を落としてしまいました。呆然としたハーンが籠を調べると、中には毒を持つ黒いクモが隠れていたのです。

ハーンは深い悲しみに打ちひしがれ、あまりの嘆き声の大きさに塔が揺れ、頂上部分が崩れ落ちました。それが、現在私たちが目にするブラナの塔の廃墟となったのです。