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ジョージアのイースター

ジョージアのイースター

3月〜5月(日付は年によって異なります)

ジョージアにおけるイースターは、クリスマスに次いで非常に重要な祝日の一つです。これは、キリスト教信仰の核心であるイエス・キリストの復活を祝う日であるためです。

イースターは全国的に盛大に祝われ、約40日間にわたる宗教的な断食期間(大斎)が終わる頃にあたります。この期間は「聖週間」で最高潮を迎え、イエスの受難と復活に関連する出来事が振り返られます。ジョージア各地の大聖堂では、聖週間を通じて特別な典礼が毎日行われます。中でも特に重要とされるのが「聖木曜日」「聖金曜日」「聖土曜日」の典礼です。

聖木曜日には、イエスの最後の晩餐と弟子たちの足を洗った行為を記念する「洗足式」が、大聖堂や修道院で執り行われます。首都トビリシでは、全ジョージアのカトリコス・総主教が、イエスの行いを模して12人の教会奉仕者の足を洗う儀式が行われます。また、夕刻にはイエスの受難の始まりを象徴するため、聖職者の祭服が暗い色に改められます。

聖金曜日は、イエス・キリストの十字架刑を記念する日であり、ジョージアではこの日を「赤い金曜日」と呼ぶこともあります。この日に向けて、人々は卵を茹で、イエスの流した血を象徴する赤色に染めます。赤く染められた卵は、聖枝祭の日曜日に、緑の麦の若葉の上に置かれます。これは、新しい命、復活、そして永遠の象徴とされており、人々はこの若葉を1週間ほど前から育て始めます。また、「パスカ」と呼ばれるイースターケーキも各家庭で焼かれ、祝祭の準備が整えられます。教会では、イエスが十字架から降ろされた場面を再現する典礼が執り行われます。イエスの死と埋葬に関する聖書朗読の中で、キリストの遺体を描いたイコンが十字架から取り下ろされ、白い布で丁寧に包まれて、象徴的に覆い隠されます。

聖土曜日の夜、人々は赤い卵やイースターケーキを教会へ持参し、祝福を受けます。信仰心の篤い人々は、夜を徹して教会に集い、祈りを捧げながら、日曜日の早朝に祝われるイエスの復活を待ち望みます。この夜、教会では厳粛な哀悼の儀式が行われ、人々は「聖火」の到来を待ちます。聖火は毎年、エルサレムの聖墳墓教会にあるイエスの象徴的な墓から奇跡的に現れるとされており、その後、ギリシャ、ジョージア、ルーマニア、ウクライナ、ロシアなど、正教会の国々に空輸されます。聖火は各国の教会や宗教指導者、国家の代表によって受け取られ、復活祭の儀式において重要な役割を果たします。

イースターの日曜日は、「キリストは復活されました!」という伝統的な挨拶で始まります。これに対して、「まことに復活されました!」と応えるのが慣例です。この日は、パスカパン(イースターケーキ)を食べたり、赤く染められた卵を使って幸運を祈りながら割り合ったりする、さまざまな風習があります。中でも人気のある遊びは、卵を使ったゲームです。参加者はそれぞれ1つの卵を選び、交互に相手の卵に軽くぶつけます。先に卵が割れた方が負けとなり、ゲームの最後まで自分の卵を割らずに保てた人が勝者となります。

翌日の月曜日には、多くのジョージア人が故人を偲び、親族の墓を訪れます(地域や家庭によってはイースター当日に行うこともあります)。墓前ではろうそくを灯し、赤いイースターエッグを転がして死者に捧げます。その後、ささやかな祝宴が開かれ、故人を偲んで乾杯が行われます。伝統的には、ワインを少量墓に注ぎ、「死者と杯を交わす」象徴的な行為も見られます。人々はこの場で、肉料理やハチャプリ(チーズパン)、各種の菓子やペストリーを分かち合います。ジョージアでは、イースターは単なる祝祭ではなく、「復活」と「永遠の命」の象徴とされており、死後の世界で再び愛する人々と再会できるという信仰のもと、穏やかで希望に満ちた気持ちでこの日を迎えます。

注:イースターの日付は太陰太陽暦(ユリウス暦)に基づいて決定されるため、毎年変動しますが、いずれも春の時期にあたります。

Easter Apart from Christmas, Easter is the most important national holiday in Georgia, for it commemorates the essence of the Christian faith - the resurrection of Jesus - and as such, it is celebrated on a large scale nationwide.
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